Netflixドラマ『13の理由』〜表に見える苦しさの、もっと奥を見る
『13の理由』は、Netflixで配信中の
超話題作となったドラマです。
ストーリーは、ある少女の自殺を
きっかけに、周囲の人々の根深い
問題がどんどん表出していくというもの。
いじめや自殺、暴行など現実で起きている
社会問題をテーマにした作品で、
配信が始まった2017年には、Netflixで
最も再生されたドラマになったそうです。
現在はシーズン3まで公開中。
注:以下の警告が記載されています。
このシリーズには、性的暴行の過激な描写、薬物乱用や自殺など、視聴者が不快に感じる恐れがある場面が含まれています。あなた自身やお知り合いの方が、お住まいの地域の支援窓口や自殺予防相談窓口をお探しの場合、13ReasonsWhy.infoで情報を入手することができます。
舞台がアメリカなので、銃問題など
日本とは全く異なる事情があったりしますが
10代の持つ悩みと、それを取り巻く環境に潜む
問題背景は共通しています。
家庭や学校にいる大人が解決を
手伝う立場であるはずなのに、
子どもたちの表層にしか目を向けずに
その子たち自身の問題だと問題児扱いしたり、
大人側の事情で子どもたちの悩みを
なかったことにされたり、、、
根本的な原因は、子供たちを取り巻く環境を
変えることで解決できるはずなのに、
そこには目を向けない大人たち。
相談できるようになるまでの
苦しさや救いようのない気持ちなど
かつて自分も同じ場所に立っていたと
思い出す場面も多くあり、
見ていて苦しくなりました。だけど、
共感することであの時感じた
途方もない気持ちを少し救うことが
できたようにも思います。
先日参加した精神科医の松本先生の講演で
「子供たちに問題が出る時、それを取り巻く大人たちの方に何かしらのケアが必要な場合がほとんど」
という言葉がありました。
講演の中で『13の理由』が
取り上げられた訳ではありませんが、
このドラマの描き方からも、松本先生の
言葉の意味が痛いほどよく伝わります。
暴力など何かしらの加害者になった子どもは、
同時に被害者でもありました。
シーズン3では、特にこの「被害者でもある加害者」
にフォーカスがあたっていきます。
「加害者は許されるべきではないのか」
「加害者が変わっていくチャンスはあるのか」
など、ストーリーの主題となるこの問いにも、
はっきりと答えられるものではなくなっていきます。
そして、シーズンを通して、主役たちである
高校生だけではなく大人たちの心情も
描かれているところが、いろいろな年齢や立場への
問題提起にもなっています。
配信当初はあった、ある場面が物議を醸して
一部削除されるなど話題になり、また、
他の犯罪シーンも賛否両論を受けたらしいです。
同じような犯罪の引き金になるのではないか、と。
それでも制作側は一貫していて
”それについて話し合う機会にしてほしい”と、
観る側に考えさせるドラマを作っていると
話していました。
注:『13の理由 現代が抱える社会の闇を考える』参照
(これは、本編と一緒に配信される番組で、
出演者や制作側が作中に出てきた問題を
ディスカッションするものです。)
主題がかなり重いのと、(描写が緻密で
10代だったら一人で観るのはかなりの
衝撃かもしれない)話の進め方が絶妙で
続きを見ないと気が済まなくなるので(汗)
軽い気持ちで「観てー!」とは言えない…
のですが、助けの求め方や、辛い経験を
克服していく主人公たちの姿はやはり
見応えがあり、また考えさせられるものがあります。
やっぱり観て欲しい(どっちやねん)
個人的には、全ての話は仲直りのきれいごとで
終わらないところに現実味があり好感が持てました。
〜〜先生ってドラマを観て、
「こんなうまくいくかよ」と
余計にすさんだかつての10代より。
自己紹介:
今日の執筆者、gomaです。
発達障害のことはごく最近知りました。
診断はまだ受けていませんが、
調べるほど思い当たることが出てきます。
当事者の方々のお話を聞いて、
共感したり共感してもらったりすることで
ずっと感じていた生きづらさが
和らいでいくことを実感しました。
それで、当事者の会へ参加しています。
0コメント